53. ミゲールはテニスが好きらしい

「〜を好きだ、好む」という表現については 37. 私は音楽が好きです で練習しました mahilig という語を用います。

 Mahilig sa tenis si Miguel.  ミゲールはテニスが好きです。

さて上の文を「ミゲールはテニスが好きらしい、好きだそうだ」という意味の文にするには daw という語を用います。

 Mahilig daw sa tenis si Miguel.  ミゲールはテニスが好きらしい

daw は前接語とよばれる語で、述部 + 主語 のつくりの文では (主語 + 述部 の文でもそうですが、これについてはあとの課で)文の最初の語の次に位置しようという性格をもっています。すでに練習しています na 「もうすでに」や (主語 + 述部 の文では na は述部内の最初の語の次にきたり、主語の次にきたりしますが、これに関してはいずれ練習をしましょう)、疑問を表す ba も前接語でしたね。また、人称代名詞にも前接語的な性格があります。

 Mahilig daw siya sa tenis.  彼はテニスが好きらしい

主語の si Miguel を siya にかえた上の文では、siya は daw の次にきています。人称代名詞も前接語的な性格を持っておりますが、daw の前にはきません。(ka や mo はしかし daw よりも前にきます。これに関してもあとでやりましょう)

 

 Maganda raw si Amanda. アマンダはきれいだそうです

形容詞 maganda の語末は母音 a で終わっていますね。daw の直前の語の語末が母音の場合、次にくる daw は raw となるのです。が daw のままでしゃべっているフィリピン人も多くいます。しかし学習者の皆さんには、母音の後に続く d は r にする練習をやっていただきたいと思うのです。

 Mahusay raw sa piyano si Kristina. クリスティナはピアノが上手だそうです。

形容詞 mahusay は「上手な、うまい」という意味です。mahusay sa piyano は「ピアノがうまい」、mahusay sa gitara ですと「ギターがうまい」という意味になります。そして上の文の mahusay のように、daw の直前の語の語末が y の場合、また次の文のように w の場合も daw は raw となります

 Mababaw raw ba ang ilog na iyon? あの川は浅いそうですか?

mababaw は「浅い」という意味です。反対の「深い」は、malalim です。

次は動詞を用いた文です。

 Maglalakbay raw sina G. Santos sa Europa. サントス氏たちはヨーロッパへ旅行するそうです

maglakbay は「旅行をする」という意味の MAG-動詞です。

基本形は maglakbay です。過去形は naglakbay、現在形は naglalakbay、未来形は maglalakbay になります。同じく magbiyahe という動詞も「旅をする」という意味で用いられる語ですが、こちらはスペイン語 viaje からきています。さて、maglakbay は magbiyahe に比べ「もっと遠いところへ旅行する」ときに用いられているようですが、いや、そうではない、ふたつは同義語であるという人たちもいます。

 


練習です。それぞれ daw または raw を入れましょう。

 Pupunta sa Maynila ang kanilang tatay. 彼らのお父さんはマニラへ行きます。

上の文に daw または raw を入れてみましょう。

 _________________________________.

答えは次のとおりです。

 Pupunta raw sa Maynila ang kanilang tatay. 彼らのお父さんはマニラへ行くそうです

daw ではなく raw を用いています。

 

 Nasa babuyan ba sina Eric? エリックたちは豚小屋にいますか?

 ________________________?

babuyan は「豚小屋」です。nasa babuyan を最初の語とみなしてください。答えは次のとおりです。

 Nasa babuyan daw ba sina Eric? エリックたちは豚小屋にいるそうですか?

nasa babuyan を最初の語とみて、そのあとに daw ba が続きます。また daw は ba よりも前にきます

 

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