65. 私はあとでそのパンを食べます

このページでは IN-動詞の活用について見ていきましょう。

kainin 「食べる」の活用は次のようになります。kainin が基本形です。

語根

過去形
現在形
未来形
kain
kinain
kinakain
kakainin
 
語根は kain です。この語根 kain の語末に接辞 in をつけることで基本形 kainin となります。

過去形語根 kain の最初の音節である ka の k と a の間に in を挿入します。kinain です。

現在形語根 kain の最初の音節である ka の k と a の間に in を挿入し kina としたものに語根 kain をつけます。kinakain です。

未来形基本形 kainin の最初の音節である ka を繰り返します。kakainin です。

接辞 in を用いるため IN-動詞とよびます

ではまずは未来形の文です。

 Kakainin ko ang tinapay mamaya. 私はあとで例の/そのパンを食べます。

焦点のあたる対象目的語の和訳を太字で示しました。「私はあとでパンを食べます」と目的語を特定しない場合は、Kakain ako ng tinapay mamaya. といってください。上の文の ang tinapay は、定まっている「その、例のパン」なのです。行為者「私」は ng 形の ko で表されます。

次の文は過去形です。

 Kinain niya ang iyong kendi. 彼はあなたのキャンディーを食べました。

ang iyong kendi も「あなたのキャンディー」と特定されています。行為者「彼」は ng 形の niya です。

では上の文の行為者、すなわちキャンディーを食べた人を Lito にするとどうなるでしょうか。

 Kinain ni Lito ang iyong kendi. リトはあなたのキャンディーを食べました。

行為者「リト」は ng 形の ni Lito となっています。si Lito が行為者となる場合の文には Kumain si Lito ng kendi. と UM-動詞が用いられ、目的語は「あなたのキャンディー」ではない、ただの「キャンディー」となります。

では上の文の行為者を kapatid mo 「あなたの弟」にするとどうなるでしょうか。

 Kinain ng kapatid mo ang iyong kendi. あなたの弟はあなたのキャンディーを食べました。

行為者「あなたの弟」は ng で示され、ng kapatid mo となっています。「あなたの弟」というその人はもちろんたったひとりしかいませんので、特定された存在ですが、この文の焦点は kapatid mo にはありません。

 

kainin 「食べる」はまた kanin ともいいます。この場合、未来形も kakanin となります。

語根

過去形
現在形
未来形
kain
kinain
kinakain
kakanin
 
 Kakainin ko ang keyk na iyan mamaya. 私はあとでそのケーキを食べます。

 = Kakanin ko ang keyk na iyan mamaya. 私はあとでそのケーキを食べます。

keyk は英語の cake 「ケーキ」のフィリピン式つづりです。英語からの借用語です。

 

このページではIN-動詞 kainin / kanin について練習しました。どうでしょう、「焦点」の概念が把握できてきましたでしょうか。

 

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